初めて夢精したのは14歳の春。 女性のカラダがどうなってるのか気になって、やけにポルノに敏感になり、『タモリ倶楽部』のお尻ダンスでよく鼻血を出したっけ。

それはすべて精巣から分泌される男性ホルモンの代表格、テストステロンの働きによるもの。

思春期から成人になるまでの間、 テストステロンの分泌量は噴水のごとく一直線に上昇する。

その作用で、 男らしいカラダつきになっていくのだが、 性欲をドライブしているのもまた、このテストステロンにほかならない。

ちなみに、 女性の場合も同様で、こちらは卵巣と副腎で作られるテストステロンが性欲をコントロールしている。

ところが悲しいかな、 その他のホルモンと同様に、 男性のテストステロンの分泌量は20代をピークにその後下降の一途を辿る。

この宿命から逃れることはできないが、 あたら若い時期にテストステロン量がぐっと減り、 仕事にもセックスにも気力が持てない男性が少なくない。

どうせ減っていくとはいうものの、右肩下がりの下降カーブを少しでも緩くして人生をエンジョイしたいもの。

この方向性に異議のある男子は一人とているまい。

日常でそれを実現するヒントはいくつもあるのだ。

それでは、テストステロン下降緩和計画を始めよう。

 

 

大量飲酒で睾丸にダメージ。ビール党はとくにご用心!

お酒は適量であればテストステロンの分泌量を増加させる。

適量とは純アルコールに換算して20g程度。

日本酒なら1合、ビールなら500ml、ワインなら1/4本だ。

それ以上の量を長期間飲み続けると睾丸がダメージを受けてテストステロンの量が確実に減る。

ここぞというときは適量飲酒で。

3週間の飲酒でテストステロンが減少。

ビールの原料のホップに含まれているナリンゲニンという物質は、女性ホルモンに似た作用を持っていてテストステロンの分泌を抑制する。

とくにビール党は要注意。

 

パートナーや上司からの褒め言葉がカンフル剤に。

金融街で働くトレーダーのテストステロン値を調べたところ、儲けが出た日は有意に数値が高かったという研究報告がある。

そう、テストステロンの別名は「勝利のホルモン」。

賭け事に勝ったり、社会的に成功したり、欲しいものを手に入れたり、新しいことに意欲的に取り組んだりするときには脳幹からドーパミンという神経伝達物質が分泌される。

その分泌を促すのがテストステロンなのだ。

勝つばかりでなく褒められることでもテストステロン値は簡単にアップする。

男性はみな褒めて伸びるタイプといってもいい。

女性は周囲の男性をどんどん褒めてすくすく育てよう。

 

適度な有酸素運動でテストステロンを増やす。

運動がテストステロンの分泌を促すことは古くから知られている。

とはいえ、どんな運動でもそこうした作用が期待できるかといえば、否。

例えばマラソン。 42.195kmというフルマラソンの距離は、ヒトが備えているエネルギー回路的にわりと限界ギリギリ。

カラダにとっては大いなるストレス。

しかも筋肉を使うとテストステロンが筋肉に運ばれて受容体にくっついて消費される。

なのでマラソン直後はテストステロンの値が激落ち。

回復には2~3か月かかるという話もある。

有酸素運動の場合、 長くても1時間程度の適度なレベルならテストステロンは増える。

有酸素運動のテストステロン増加作用。

同じ被験者が運動をした日としなかった日のテストステロン値の比較。

運動開始直後からテストステロンの量が増加。

運動中にピークを迎え、運動後は低下していく。

 

ネバネバ食材のパワーでタンパク質吸収効率増。

納豆にオクラにモロヘイヤに山芋、いわゆるネバネバ食品に含まれているムチン。

この物質はタンパク質の吸収をサポートする。

コレステロールという脂質からテストステロンは合成されるが、その変換に必要なのはタンパク質由来の酵素。

よってネバネバ食材は積極的に食すべし。

Never Give up!

 

亜鉛の補給が肝心だ。寿司屋では貝類を狙え!

毛髪の亜鉛の濃度が高い男性はテストステロンの活性度が高いことが分かっている。

因果関係は不明だが、おそらく亜鉛が精巣の機能をサポートしているのではないかという話。

ならば亜鉛、摂っておくに越したことはない。

おすすめは貝類。

なかでも牡蠣は2粒で1日の亜鉛必要量が賄える。

 

低テストステロンの要因、睡眠不足と徹夜は厳禁!

睡眠はテストステロンの維持に大きく影響する。

7時間睡眠に比べて4~5時間睡眠ではテストステロン値が如実に低下。

アメリカ医学協会では睡眠不足が1週間続くと、テストステロン値が最大15%低下することが報告されている。

最低でも6時間の睡眠時間は確保のこと。

ヒトの睡眠不足による影響は?

4~5時間の睡眠と徹夜の数値はほぼ同じだが、ラットの実験では徹夜明けのテストステロン低下はその後4日休息しても回復しなかった。

徹夜は後々まで悪影響を引きずるのだ。

 

今後、注目を浴びそうなD-アスパラギン酸とは。

アスパラギン酸は体内の神経内分泌細胞に存在するアミノ酸で、テストステロンの生成に関わると考えられている。

アスパラギン酸にはD型とL型があるが、 その作用があるのは前者。

D-アスパラギン酸は未だ研究途上の栄養素だが、食品では黒酢やアサリに多く含まれているとか。

実験では微量の投与で大きな変化が。

D-アスパラギン酸を投与した時のテストステロン値の変化。

たった0.1ミリモルの投与をするだけでテストステロン値が顕著に増加している。

今後の研究に期待したい。

 

見た目が若けりゃ精巣のイキもいいのだ。

テストステロンを生成分泌している精巣は、 活性酸素による酸化の影響を受けやすい。

ストレス、紫外線、タバコ、 過度な運動などで発生した活性酸素が精巣の機能低下を促してしまうのだ。

ビタミンA、C、E、各種ポリフェノールを含む抗酸化食材を摂取し、アンチエイジングと精巣保護を。

 

豚肉+ニンニクはホルモン増の最強コンビ。

スタミナ食材の代表格といえばニンニクだが、テストステロン増に役立てるにはコツが必要。

生ニンニクで摂るとテストステロンが低下するという報告があるからだ。

一方、 加熱加工した状態では逆にテストステロン値はアップする。

また、高タンパク質食品とともに摂取するとよりテストステロン値が増加する。

ニンニク (またはタマネギ) に含まれるアリシンがタンパク質食品のビタミンB1と結合してできるアリチアミンがテストステロンの上昇をサポートするらしい。

ビタミンB1を豊富に含むタンパク質食品といえば豚肉。

今夜は豚肉のガーリック焼きだ!

高タンパク食とニンニクでホルモン増強。

カゼインタンパクを40%、 25%、 10%含む食事とともにニンニクを摂取したときのテストステロン値の変化。

40%の高タンパク質十二ンニクを摂ったグループが最も上昇率高し。

 

男らしさを維持するため、日々笑いを絶やさぬこと

笑いの効能はさまざまある。たとえば免疫力アップ。 あるいはリラックス効果。 記憶力の増進に血行促進。 そればかりかテストステロン値を上昇させるという実験報告も。

テレビで天気予報を見た前後とコメディを見た前後では、後者の方がテストステロン値が上昇。 笑う門にはホルモン来る。

男性に嬉しい笑いの効果を活用すべし。

健常な高齢者を被験者として、 天気予報を見た前後と 『Mr. ビーン』を見た前後でテストステロン値を計測。

前者は見た後の数値が若干下がり、後者では明らかに上昇。

 

男性ホルモンならやっぱり筋トレが最強メソッド!

有酸素運動時、確かにテストステロン値は上昇するが、運動中にピークを迎え、運動後には平常時のレベルに落ち着く。

なので今のところ、テストステロンのベースラインを引き上げるかどうかは分かっていない。

一方、同じ運動でも筋トレは別。

運動後も上昇したテストステロン値を比較的長くキープできるのだ。

ヤッター! 筋トレさすがです!

もともとテストステロンは筋肥大を促すホルモン。

でも筋トレによってテストステロンの分泌量も増加するという、持ちつ持たれつの関係だ。

さらに、筋トレのもうひとつの効果として、筋肉内のアンドロゲン受容体を増加させることが分かっている。

受容体が増えればテストステロンが作用しやすく筋肥大が効率的になる。

筋肥大が起こればますますテストステロンが必要となるのでバンバン分泌されるという好循環に。

問題は負荷とインターバルの調節。

負荷はおよそ最大強度の70%、インターバルは60秒が最もテストステロン値を長く維持できることが分かっている。

そう、10回×3セットといういつもの筋トレってこと!

適度な負荷のスクワットが最も効果的。

70%の負荷をかけたスクワットと85%負荷のウェイトリフティングをそれぞれ60秒インターバル、 90秒インターバルで行った場合の比較。 70%負荷のスクワットを10回×3セットが最もテストステロンが上昇し維持できた。