セックスへのとまどい
女性にとって、好きな人とするセックスは、本来はとても楽しく、充実した気分になれる行為です。
でも中には、セックスという行為自体に後ろめたさを持つ女性もいます。
幼い頃に両親から
「性器は触れてはいけないところ」
「セックスはいけないこと」
「結婚するまでは貞淑を守るべき」
といった観念を植え付けられて育った女性にとって、恋人にからだを求められ、それに応えることは両親を裏切ることになります。
特に貞操観念が強い女性は、「してはいけないこと」だという心の奥底での思い込みが拭えないにも関わらず、肉体が反応してしまうことに、ますます罪悪感を募らせてしまうのです。
日本の社会では、清純が持て囃(はや)され、淫乱が蔑(さげす)まれる雰囲気があるのは確かなことです。
そんな空気の中に身を起きつつ、「若い女性」であるというだけで、路上や乗り物の中など、公共の場所で否応なく「性的な存在」としていやらしい目で見られたり、時にはからだに触れられたりします。
セックスをしない存在であることを求められつつ、一方でセックスを求められる。
そのことに戸惑いを持ち、「セックス」とうまく向き合えないでいるのです。